弁護士もののドラマでは、たいてい弁護士はジャケットの襟に輝く、金ピカの弁護士バッジをつけています。しかし、この業界では、金ピカバッジは基本的に新人弁護士の証です。弁護士バッジは銀の地に金メッキが施されているので、経年変化により金メッキが剥げて銀バッジになります。写真は20年経過した私のバッジですが、ほぼ銀バッジになっています。さらに年を経ると錆などが出てきて貫録を感じさせるようになります。小僧と思われたくない新人弁護士は、小銭入れにバッジを入れてメッキを削るとか言われています(私はしていませんが)。ただ、純金のバッジもあるようで、それならずーっと金ピカのはずですが、私自身はお目にかかったことはありません。
デザインとしてはひまわり=自由と正義、のなかに天秤=公正と平等となっています。弁護士としての基本姿勢を示したものですが、金貨の中に円マークのバッジの方が似合う方々も散見されます(冗談です)。
このバッジの裏には「日本弁護士連合会員章」の文字と登録番号(弁護士としての通し番号)が記載されています。つまりは一人一個の特注品であり、無くすと始末書を書いたうえで再発行されますが、裏には再発行を示す「再」の文字が刻印されます。私は「再2」と刻印された猛者を知っています。おおかた飲み会で酔ってなくしたのでしょう。私も呑兵衛ですが、奇跡的にまだなくしていません。
この弁護士バッジ、弁護士なら執務中に常時つけているかというと、そうでもありません。なくては仕事にならないというほどではないので、私もあまりつけていません。ただし、警察署と所持品検査のある裁判所(東京地裁や福岡地裁など)では、弁護士バッジが身分証明書がわりになるので付けるようにしています。執務時間外、とくに飲み屋などでは厚みのあるバッジが悪目立ちするので、基本的に外します。裏返しに着けている方も多いです。つけていたからと言って一目置かれるとか、モテるといったことは残念ながらないようです。
ともわれ弁護士バッジは弁護士としての証、自由と正義、公平と平等の証でもあるので、バッジに恥じないように、これからも切磋琢磨していきたいと思います。
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